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実務補修が一種の徒弟制をつくる

2011.10.07

特別試験、特例試験で資格を得た鑑定士が業界を牛耳ることができたのには、二つの理由があった。一つは、不動産鑑定士二次試験合格者は合格後二年以上不動産鑑定士の下で実務補修という名の実習を行なったのちに、第三次試験の受験資格を得られるという仕組みがあるからだ。合格者は実習を受けた鑑定士から、実習終了のいわゆる「はんこ」をもらわなければならない。この制度は教育システムの面から見るかぎり、先生と生徒が一対一で実際に存在する物件を教材として勉強できるよい制度であって、いまでも続いているが、二次試験合格者が実務補修を受けに行っている間に、先生と生徒の関係はいつのまにか親分・子分の関係になる。一種の徒弟制ができあがるわけだ。実務補修期間中は実務を教える授業料と給料を相殺し、無給または低額の給与で雇うのが、長いこと慣習として続いていた。こうして、先生の立場の鑑定士は「実務補修者に教える」という名目で、不動産の現地調査の仕事や不動産鑑定書づくりをさせるなど、彼ら生徒を二年以上無給または低額の給与で使用することができた。人件費なしで事務所を経営できたのである。生徒に不動産鑑定書を書かせていたのがゆきすぎて、生徒がいないと自分では不動産鑑定書を書けなくなった先生が出現したという笑い話もあった。

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