意外なことに、土地が金融機関の融資担保の主役になったのは、それほど昔のことではありません。戦後、それも高度成長期の始まりごろからといわれています。たとえば戦前は、経済界の長老たちによると、融資相手の経営者や企業に対する信頼や事業そのものが担保となっていたことが少なくありませんでした。経営者を信じて貸す、事業が実現するのを後押しするために貸すということです。もちろん、建物などの資産が担保になったりもしますが、土地の比重はそれほど大きくはありませんでした。
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最大の理由は、土地だと迅速な換金性に欠けるということです。担保にとった銀行などが何らかの事態に直面して、この土地を処分しようとしても、すぐに買い手を見つけるのは当時は難しかったのです。これが戦後一変した大きな理由のひとつは、戦後の混乱期の超インフレを経て地価が大きく上昇したことでした。建物、設備も値上がりしたのですが、これらは年が経つにつれて価値が少しずつ減る資産です。土地は減価償却する必要がありません。価値は減らないのです。いろいろな資産価値の中で、土地の価値が相対的に大きくなりました。これが、今日まで一貫して続いている土地人気、土地神話の“秘密”です。