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本を所有しつづけるコスト

2011.12.23

無類の本好きであったU氏は晩年、住まいの他に、本を収納するだけのためのマンションを2つ借りていたそうだ。彼は「100万円分の本を持つためには100万円分のスペースが必要だ」という言葉を遺したが、これは体験に根ざした至言というべきであろう。しかも最近の都会の地価の高騰を考えれば、本と収納スペースのコストは同等ではなく、スペースのほうが高価になっていることは間違いない。つまり何気なく買った一冊の本が、たとえば1000円であったとしても、それを蔵書として持ちつづけようとしてそのためのスペースの価格を考えに入れると、2000円にも3000円にもつくかも知れないのだ。

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したがって、U氏のような贅沢な真似が誰にでもできることではないとすれば、個人の蔵書量には、本の価格ではなく収納の費用の点でおのずから限界がある。これは本好きにとって実に口惜しいね。若い頃に本そのものが買いたくても買えなかったのは、まあ借りても良いし、いずれ金ができたら買うという楽しみもあったのだが、中年を過ぎて本を買うくらいの小遣いに不自由はないのに、目の前にある本を買うのを我慢する、いうことは至難の業であり、ついつい買ってしまうのだ。